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第10章【アンディフグ選手との出会い】

関係者の方に手紙を渡してたった2日後。
 
私は頭を丸めてアンディフグ選手の道場を訪問しました。
 
前日に格闘技ショップ行ったは良いけど、
 
素人の私が何を揃えていいか分からずに、
 
適当に買ったキックボクシングセット一式を
 
バッグに入れて持っていきました。
 
何を思ったかアンディフグタオルも買っていました。
(試合の応援に行くんじゃねーんだぞ)
 
 
道場に到着。
 
「すんません、ここに来るように言われた者です・・・」
 
おそるおそる中に入ると、「あー、聞いているよ」
 
と、格闘技界では知らない人はいないアンディのトレーナーさん。
 
 
 
格闘技界など何も知らず、
 
さらに過去5年をアメリカで過ごしてきた私は
 
その方を知りませんでした。後に超有名人と知りました。
 
 
 
 
少ししたらアンディフグ選手が入ってきました。
 
緊張です。
 
 
アメリカに行く前にもアンディフグ選手の
 
試合をテレビで観たことは何度もありました。
 
 
友人がアメリカに送ってくれたビデオでもたくさん見ていました。
 
ネットが無いんだから、Youtubeなんかありません。
 
 
ビデオカセットを国際郵便で送ってもらう。
 
そんな時代でした。
アメリカの選手との試合はアメリカでも放映されていました。
 
 
そんなテレビの中の人、アンディフグ選手が、
 
「お!君か、聞いているよ。ほら、始めるよ」(英語)
 
で、いきなり練習開始です。
 
 
 
最初の準備体操のシャドーボクシング。
 
初めてです。私は何もわかりません!
 
 
とよ先生を今知っている人には想像しにくいとは思いますが、
 
キックボクシングを全く知らないんです、この時点では。
 
で、先ほどの有名トレーナーさんが近くに来てくれます。
 
 
あー、良かった。教えてくれるんだ。
 
と、ホッとする
 
もなく・・・
 
 
トレーナーさん、一言
 
「テレビとかで観たことあるでしょ?適当にマネしてやってね」
 
 
・・・
 
・・・
 
・・・
 
 
 
えー!!!
 
 
当時の私みたいな、「ちょっと憧れて格闘技が好きです」な、
 
いきがっている奴が見よう見マネでやるシャドーボクシングほど、
 
格好悪いものないですから!!!
 
 
だってアンディフグ選手の練習には
 
数人の有名一流プロ選手も参加しています。
 
 
その中に、キックボクシング歴約38秒の私です。
 
シャドーボクシングってなんとなく見たことあるけど・・・
 
シュッシュッってなんか口で言うの?
 
 
言わないの?
 
 
 
 すでに帰りたい・・・(涙)
 
 
 
でも、頑張りました。
 
 
何を頑張ったかって、そこの空気に溶け込むことを!
 
 
しかし、遠目に見たら誰がみても有名選手に混じって、
 
強そうな映画を観た後に、
 
映画館前でパンチだしちゃう中学生が1人いるんですけど・・・
 
 
冷や汗たっぷり出てきところで準備運動終了。
 
 
準備運動の後、すぐにスパーリングをやるのがアンディ流。
 
 
スパーリングとは、試合形式の1対1の練習。
 
おいおい、さすがに私はこれは出来ないですね。
 
どうすりゃいいんだ!
 
 
ここはトレーナーさんも優しく声かけてくれて、
「1、2ヶ月はさ、選手の水係りとかやって
 
プロの練習に慣れていくといいよ」
 
 
ふー、やっとホッとできたー。
 
 
 
え?
 
 
え?(二度見)
 
 
リングで既に戦闘状態のアンディフグ選手、
グローブつけた手をクイクイって私を手招きしています。
 
「お前、入ってこい」とフグ師匠。
 
なに?
 
なになに???
 
どゆこと???
 
キックボクシング歴11分51秒の俺とやるってか。
 
 
ここで私の思考回路が冷や汗でショートしました。
 
 
「おい、これってチャンスじゃねーの。
 
ここでアンディフグをぶっ倒したら、俺スーパースターだぜ。
 
キター!」
 
 
 
はい、バカ。
 
 
でも、その時の私は本気でこんなこと考えちゃっていました。
 
 
んー、こういう経験の集大成がとよ先生を創っているんですね。
 
バカです。
 
バカな勘違いって必要な時があるように思います、前に進むのに。
 
e-kidsではそういう事を教えています。
 
 
 
目の前にはずっとテレビで見続けていたスーパースター
 
が、本当に立っています。
 
 
 
そのスーパースターと同じ格好、
 
グローブつけて、リングに1対1で立っちゃっている私。
 
これって夢なの。
 
 
どうなるの?
 
窪田豊彦 184センチ102キロ
 
キックボクシング歴約13分アンディフグ選手とリングで二人きり。
 
「とよ先生」まで後6年8ヶ月
 
 
とよ先生の半生記 e-kids 10周年記念バージョン
第10章【アンディフグ選手との出会い
最後まで読んで下さってありがとうございます。
 
ま、そうは言っても今もバカなのかもなー
 
って思いながらこれを編集しました。
 
バカエネルギーも道無き道を行くには必要なの時もあるのかも知れません。